真如寺

 両箇の月が真如を照らす

 創建時の宗旨は不明。また、建立の年代も不明。

 元和元年(1615)に佐野壱岐守家綱の子孫・佐野行綱が、先祖供養のため荒廃せる本堂を再建した。

 その際、当時の龍雲院二世・明屋玄察和尚を招いてあらためて開山し、曹洞宗となって現在に至る。

 平成二十七年(2015)には開山より四百周年を迎え、地域に根ざした禅寺として開かれている。本堂には釈迦牟尼如来、脇侍に文殊菩薩と普賢菩薩をお祀りし、開山堂には鎮守である岩船地蔵尊が安置されている。

 本堂正面に掲げられた山号「嶺水山」は、〇〇〇〇揮毫のもの。

守護神が見守る参詣の道

龍と狛犬

 本堂正面は、仏教の守護神である三体の幻獣によって守られている。生々しい迫力をもって天上から地上を見守る龍神と、左右一対に配置された二頭の狛犬である。

 これらは五世住職・山内泰秀の岳父・松井武二が制作し奉納した。松井武二は佐渡の出身。中央大学商学部在籍中に、本郷洋画研究所にて岡田三郎助・藤島武二に師事し洋画を学ぶ。戦中、勤務の都合により清水に移住。戦後は市内中学校の美術教師となり、退職後は地域の文化発展に寄与した。昭和四十一年(1966)に近代的な鉄筋の本堂新築に相応しいようにセメントで制作された。龍神は昭和五十年(1975)八月奉納。狛犬は平成五年(1993)八月奉納。

 

心経の参道

 山門から本堂までをまっすぐに繋ぐ参道には、古来より寺院建築等で利用された御影石が敷き詰められている。その裏面は、大乗仏教を代表する経典である『般若心経』が一字ずつ丁寧に刻み込まれている。山門の仁王像に清められ、『般若心経』に導かれて本堂へと向かう清浄な道。平成八年(1996)完成。

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